2009年05月12日

学習心理学

心理学の講座を受講する以前の基礎知識として、これまで見てきた感覚・知覚・情動は生理的反応と密接な関係にあると理解されましたね。
しかし、「学習」というと、「生理学とは関係の薄い、知的な働き」と連想するのではないでしょうか。
しかし、次の有名な実験を見てみましょう。
 
 
ロシアの生理学者I・パブロフは、犬の消化腺機能について研究していましたが、実験に使われていた犬が、しばらくすると餌を見ただけで唾液を出すようになったことに気がつきました。
 
そこから彼は実験と観察を繰り返し、餌が口に入ったとき(無条件刺激)の唾液分泌は、犬が生まれながらに持っている反射なので、これを「無条件反射」と呼び、一方餌を見るだけで起こる唾液分泌は、犬が一定の条件(餌を知覚すること)と結びつけることによって獲得した反応であることから「条件反射」と呼んだ。
彼は、ベルの音など、そのほかいろいろな刺激が唾液分泌をうながす条件(これを条件刺激という)になりえることを発見したのです。
これは、あまりにも有名なので、みなさんも知ってますよね。
 
このように、無条件反射(唾液分泌)には無関係だった刺激(餌をみること、ベルの音)が、無条件刺激(餌を口の中で知覚すること)と結び付くことで、無条件反射と同じ反応(条件反応)を引き起こすようになることを「古典的条件付け」と呼びます。
 
心理学では一般的に「学習」を、「経験の結果生じる、比較的永続的な行動の変化」と定義するが、パブロフが生理学の実験中に偶然観察した事象より発見した、この「古典的条件付け」こそ、さまざまな「学習」研究の出発点だったのです。
 
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2009年04月02日

感情心理学

心理学では感情をどう定義しているのか見ていきましょう。
これも講座を受講するときの基本知識として知っておくとスムーズに受けられると思います。
 
記憶にも生理学的な基盤があることを見ましたが、生理的過程と深く結びついている心の働きに「感情」があります。
しかし感情と言っても、情緒や情動、情感など、ほかに似たような言葉がいくつもあり、それぞれどう違うのか、心理学の講座の受講生にはわかりにくいと思われます。
そこで、これらの言葉をここで整理しておこうと思います。
 
 
これらの区別は日本語では曖昧ですが、英語でははっきり区別されます。
 
英語で感情はフィーリング、つまり「瞬間的、皮膚的感覚」な側面があり、これが通常「感情」とされます。
 
そしてエモーションには「動き」という側面があり、これは「情動」と訳されます。
 
アフェクションには対象に向けられている側面があり、「情感」と通常は訳されます。
 
そのほかにも、ムード(気分)、パッション(情熱)、センティメント(情操)などの類語があります 
 
専門的な定義としては、「情動(情緒)」は喜怒哀楽をあらわす表現のように比較的激しく、筋緊張や心拍数の上昇などの身体表出がともなうことが多い、一過性の心の作用を指します。
 
「感情」は、広い意味では情動・情熱・気分・情操などを含む概念ですが、狭い意味では強度や身体表出の少ない、快ー不快の次元で捉えられる心の作用を示します。
「気分」は特定の刺激は持つことがなく、環境などに影響されることが多く、強度は弱いが比較的永続的な心的作用を指しています。
 
このように感情と言っても専門的には複雑で多岐にわたるものですが、心理学の研究では生理的指標が明確な「情動」が中心になっています。
 
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2009年02月23日

記憶のメカニズム

2008121142802_1.jpg心理学の講座のうえで、記憶についてはおもしろいところなので追加して述べていきたいと思います。
まず物事は3つのプロセスを経て記憶されます。その3つとは、記銘・保持・想起(再生と認識)の3段階です。
 
「記銘」とは、物事を頭のなかなどで反復したり(これをリハーサルという)、イメージを膨らませたりして記憶しようとすることです。
例えば電話番号を覚えるのに、何度も復唱し、年代を語呂合わせで覚えようとすることがこれにあたります。

「保持」とは、記銘によって記憶されたことがらを、長く保っておくことですが、これは外からは観察しにくいことです。
次の「想起」が可能かどうかで、記憶が保持されているかどうかが確認できるだけなのです。

「想起」とは、保持されたことを思い出すことであり、「再生」と「再認」の2種類があります。再生とは、記憶内容を言葉などであらわすことです。
再認とは、すでに経験したことのあるものをそのとおり確認できることで、たとえば知っている歴史上の人物の名前が試験に出たとき、その名前が既知のものであるとわかることなのです。

過去に自分がよく通った道の幅が、行ってみると意外に狭かったということが経験としてあるでしょう。
これは記憶が「変容」しているといえるのです。
記憶されたことがらは、再生されるときにある部分が強調されたり、単純化されたりして、もとのものとは変化するといわれるのです。
 
また、記憶は個人の定義によっても変化すると言われています。
犯罪などの現場での目撃証言は、その個人がどの程度犯罪者にとって偏見のようなものを持っているかによって、「目撃」しているのにも関わらず同じ証言にはならないというのも知られたことですよね。

人の記憶は不思議さと面白さに溢れているのです。



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2009年01月19日

記憶心理学

2008122055815_2.jpg知覚が成立するためには、記憶情報との照らし合わせが必要です。

今回は記憶について少し考えていきましょう。
「記憶についてなんて、心理学の講座で学ぶことなの?」と考える人もいるでしょうが、心理学とは前も述べたように様々な分野と絡んでいるので見逃せません。
記憶の仕組みについては、様々な理論モデルがありますが、1972年に「意味記憶」と「エピソード記憶」という2種類の記憶に分類したモデルがE・ダルヴィングによって発表されました。

「意味記憶」とは、物事についての系統だった知識(概念・アイディア・事実など)のことです。これらには単語やシンボル、単語同士の関係などに関する知識も含まれます。
この記憶により、もともとは単なる数字の羅列である電話番号を覚え、「朝と夜の長さが同じになる日は一年に何回あるか」といった問いに答えることができるのです。
一方「エピソード記憶」とは、特定の時間や場所と結びついている個人的な体験・出来事についての情報、あるいはその出来事同士の関係についての知識です。
たとえば、昨日の昼、中学時代の友達と映画を見に行った後心理学の講座を受講した、といった記憶のことです。

私たちは3歳ぐらいから前のことは覚えていません。
乳幼児にも記憶能力はあるのに、なぜそのころのことは覚えていないのか?

これにはまだ定説はないのですが、言語を用いない乳幼児のころは非言語的な形で記憶が保存されるので、言語を使う成人には取り出せない。という説がまず一説にあります。

そして、エピソードを記憶し思い出すには言語が必要というのもまず一説です。
また、乳幼児の脳には誰が何をどうしたのかということを理路整然と生理するだけの容量がないという説などもあります。
まだまだ解明されてないことは、山ほどありますね。




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2008年12月22日

知覚心理学

前回、感覚心理学について簡単に述べましたが、今度は知覚について少し説明してみます。
感覚と知覚の違いについて、どんなものだと皆さんは考えていますか?
まず、感覚で周りのものを見たりできる、ということはわかりました。

そうしたら見たものが「何」であるかを認識するためには、自分の記憶と照らし合わせていく必要があります。
例えば「赤い車」を見たとします。まず視覚で「赤」はとらえています。しかし、それが「車」であるかどうかは、「車」がどのようなものなのかをあらかじめ知っておく必要があるのです。

このように大脳の働きによって過去の経験などを呼び起こして物事を認識することを、心理学では「知覚」と呼び、感覚と区別して考えています。
つまり私たちの日常生活は、周りの状況を感覚と知覚でとらえることで成り立っている、と心理学では考えます。
日常の言葉とは少し違う使い方になるので、やはり心理学の講座では注意したほうがいいです。

知覚では、「体制化(まとめようとすること)」という働きが備わっています。
だまし絵とよばれる絵で、二通りに見えるものがあります。ある人には若い女の人に見えるし、ある人には老婆に見えてしまう。
このように二通りに見えるのですが、一通りにしか見えなくなる。
このように私たちの脳は体制化の働きによって効率よく世界を認識させてくれますが、逆にそのために正しく認識できないこともあるのです。

それは錯覚、と呼ばれるものですが、錯覚はおもしろいですよね。
心理学の講座の面白さを再認識できます。

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2008年12月08日

感覚心理学

脳や神経という中枢神経に信号を送るには、感覚器でとらえたものを受容器で信号にかえる、というプロセスが必要になれます。
ここまでのプロセスを心理学では「感覚」と呼びます。
私たちの日常の感覚という言葉の使い方とは少し違う部分もあると思いますが、心理学ではこのように固有の定義がされていることに注意して読んでいってください。

感覚は私たちが周りの世界を知るための手段として、常に働かせているものです。
日常の言葉である「五感」は視覚・聴覚・臭覚・触覚・味覚から成り立っています。

例えば、あなたの目の前にご馳走が運ばれます。
まずあなたはそれを目で見ます(視覚)。その食事のおいしそうな匂いを鼻で感じます(臭覚)。
手で箸をとり(触覚)、それを味わい(味覚)、そうしながらテレビのニュースが耳にはいってくる(聴覚)。
これらの五感は私たちが周りの環境を知るために、非常に重要な役割を果たしているのです。
心理学の実験に「感覚遮断実験」というものがありますが、これは完全に無音の部屋に被験者を入れて、アイマスクをつけさせて触覚が鈍る服を着させて運動も制限します。

すると被験者は幻覚や強度の不安に襲われてしまいます。
人間は五感を封じられると正常な状態ではいられなくなるのです。つまり、感覚は私たちを現実につなぎとめておく重要なものなのです。

このようなことを知っていくために、感覚から心理学を学んでいく。
このことを感覚心理学といいます。

この学問も、講座では医学的な知識が必要ですね。
この講座も奥深くとても興味深いですね。


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2008年11月27日

生理心理学

2008092633825_1.jpg当たり前ですが、心の状態と身体とは常に影響しあっています!切っても切り離せない関係です!

例えば受験の前日、合格するかどうかが不安で心臓がドキドキして目がさえて眠れなかったりしたことはありますよね。
また、身体の具合が悪くなると、気分まで落ち込んでしまうという経験も誰でもあるのではないでしょうか。
私なんかは主婦ですから、お天気がいいと「洗濯できるし、お掃除もできる!外にも散歩に行こうかな。」と前向きになりますが、雨の日は気持ちも沈んでしまって、家にこもってしまうということもよくあります。
このような人間の心理的なメカニズムと生理的なメカニズムの対応関係について研究する分野が生理心理学なのです。

なんだかおもしろそうですよね。
このことを心理学の講座などで学ぶためには、必然的に神経のことや脳のこと、筋肉のことや皮膚のことを知らなければなりません。
だから生理学と心理学が絡んできて、この分野になっているわけです。

神経のことや脳のことを学ぶことは本当におもしろいです。
今まで知らなかった、無意識に私たちがしていると思っていたことが、脳のこの部分でおこなっているのだ、神経はこのように命令を伝達していくのだ、などと改めて私たちの身体について知ることになるでしょう。
そして、奇跡のような身体の作りに驚嘆することにもなるのではないでしょうか。

心理学とは本当に奥が深い学問です。
心理学講座で学んだことは、これからの生活にも役立ちますし、育児などをしていくうえでも大切な分野だと思います。


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2008年11月16日

心のメカニズム

2008092043147_1.jpg前回までは、心理学の講座を学ぶ前の知識として、心理学の歴史について説明してきました。
ここからは少し心の様々な働きを述べていきたいと思います。

心理学は生理学から独立した学問、ですが人間が生物の一種として存在している以上、生理学から切り離して考えることはできません。
よって心理学と生理学の境界は微妙であって、なかには絡んでいる部分もあります。

心理学が対象とする領域は極めて広いために、生理学以外にも様々な学問と絡んでいくことになります。
まずは生理との接点を探る分野は「生理心理学」ですし、同様に感覚を対象とするものは「感覚心理学」です。
学習を扱うものは「学習心理学」ですし、このようにそれぞれの対象領域を冠した分野別心理学が確立しているのです。

ですから、一口に「心理学」といっても何をどう講座で学んでいいかわからないのは当然なのです。
大きな意味で「心理学」を学ぶということは、様々な名称が冠してある心理学について全て知っておかなければならないのと同じですからね。

あなたが心理学講座で学びたい心理学は何なのか。
恋愛についてなのか、性格についてなのか、それとも社会で人間関係を築く上で必要な社会的な心理学なのでしょうか。
それをしっかり確立して、その名称が冠してある心理学を学ぶことをおすすめしたいと思います。
そうしないと、広大な心理学の深い海にとらわれてしまうかもしれません。
でも、大学で専攻する場合は専門的に学ぶわけので別ですけどね。


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2008年11月04日

様々な学問と提携していく心理学

心理学の講座を学ぶ為、心理学の歴史について触れてきましたが、その最後として心理学と他の学問との関連について述べていきましょう。

まず心理学は「精神物理学」がその前身です。物理学をはじめとする様々な自然科学から多くの方法を受け継ぎ、哲学を父、生理学を母として誕生しました。
これを実験心理学の始まりとするならば、臨床心理学は医学、とりわけ精神医学の弟として誕生したといえるでしょう。

こうして哲学と生理学から独立した心理学は、感覚・知覚・記憶・知能など、人間の心と機能を次々に明らかにする一方で、全体性としての個性や成長の過程が追求され、発達心理学や性格心理学などの分野が確立しました。
これらの分野では大脳生理学や医学との連携が保たれました。

心理学は「個」を問題とするだけには留まりません。
社会学や文化人類学の近接科学として対人関係や集団状況、さらには社会的な次元での人間行動を対象として社会心理学が成立しました。
また経営学や組織科学との境界では、経営心理学や組織心理学という分野を展開させています。
こうした心理学の発展には、統計学の進歩が大きな支えになったのです。

近年では論理学や言語学とともにテクノロジーの世界に進出し、認知心理学という分野を開拓する一方で、心理学以前に人間の魂の癒しを担当していた宗教とも親しい関係になりつつあります。

このように心理学は、心理学としても数々の分野を生み出し、そして色々な学問と連携しながら発展してきているのです。
心理学の講座で、このような歴史に触れることはあまりないでしょうから、覚えておくといいでしょう。
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2008年10月27日

実験心理学と臨床心理学

2008082455723_2.jpgこれまで、心理学の歴史をみてきましたが、大きく分けると二つの流れがある事に気がつきましたか?

その一つはヴントによって確立されて今日まで続いている流れで、研究方法を自然科学に求めるものです。
自然科学は諸現象を観察し、諸現象の関係について仮説をたて、それを検証するためのデータを集めて統計的検討をし、仮設から理論を構築するという方法をとります。
この方法を「実証的方法」といいます。この方法こそが科学としての心理学だと考え、実験を方法的な柱にすえるので「実験心理学」といいます。

しかし、人間には個人差があり当然ですが一人一人違う世界を持っています。
フロイトにはじまり、心の不適合に悩める人たちを援助することを目的とする実験的領域においては、そうした「個」と関わることを通じて人間心理の普遍的な構造とは何かを探るという方法がとられてきました。
こういった方法による心理学を「臨床心理学」といいます。

20世紀の心理学は、この実験心理学と臨床心理学のせめぎあいの歴史でもありました。
実験心理学者からいわせれば、「臨床心理学は科学ではない」といったことになりますし、臨床心理学者から言わせれば「実験心理学は心不在の心理学である」ということになるのです。
20世紀ではアメリカの行動の科学こそが心理学であるということが主流でしたが、こうしたなかからトランスパーソナル心理学が生まれたことは面白いことです。

心について知りたいから心理学の講座を学ぶのに、こんなにめんどうくさい!そう思われましたか?
確かに学問として成り立つには、心には未知の領域が多く、科学的な証明も必要とされたのでしょう。

共感はできないとしても、学ぶ以上は知っておかなければいけないことですね。



posted by やましん at 13:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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