2009年05月12日

学習心理学

心理学の講座を受講する以前の基礎知識として、これまで見てきた感覚・知覚・情動は生理的反応と密接な関係にあると理解されましたね。
しかし、「学習」というと、「生理学とは関係の薄い、知的な働き」と連想するのではないでしょうか。
しかし、次の有名な実験を見てみましょう。
 
 
ロシアの生理学者I・パブロフは、犬の消化腺機能について研究していましたが、実験に使われていた犬が、しばらくすると餌を見ただけで唾液を出すようになったことに気がつきました。
 
そこから彼は実験と観察を繰り返し、餌が口に入ったとき(無条件刺激)の唾液分泌は、犬が生まれながらに持っている反射なので、これを「無条件反射」と呼び、一方餌を見るだけで起こる唾液分泌は、犬が一定の条件(餌を知覚すること)と結びつけることによって獲得した反応であることから「条件反射」と呼んだ。
彼は、ベルの音など、そのほかいろいろな刺激が唾液分泌をうながす条件(これを条件刺激という)になりえることを発見したのです。
これは、あまりにも有名なので、みなさんも知ってますよね。
 
このように、無条件反射(唾液分泌)には無関係だった刺激(餌をみること、ベルの音)が、無条件刺激(餌を口の中で知覚すること)と結び付くことで、無条件反射と同じ反応(条件反応)を引き起こすようになることを「古典的条件付け」と呼びます。
 
心理学では一般的に「学習」を、「経験の結果生じる、比較的永続的な行動の変化」と定義するが、パブロフが生理学の実験中に偶然観察した事象より発見した、この「古典的条件付け」こそ、さまざまな「学習」研究の出発点だったのです。
 
 muryou006.jpg
posted by やましん at 14:25| Comment(32) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月02日

感情心理学

心理学では感情をどう定義しているのか見ていきましょう。
これも講座を受講するときの基本知識として知っておくとスムーズに受けられると思います。
 
記憶にも生理学的な基盤があることを見ましたが、生理的過程と深く結びついている心の働きに「感情」があります。
しかし感情と言っても、情緒や情動、情感など、ほかに似たような言葉がいくつもあり、それぞれどう違うのか、心理学の講座の受講生にはわかりにくいと思われます。
そこで、これらの言葉をここで整理しておこうと思います。
 
 
これらの区別は日本語では曖昧ですが、英語でははっきり区別されます。
 
英語で感情はフィーリング、つまり「瞬間的、皮膚的感覚」な側面があり、これが通常「感情」とされます。
 
そしてエモーションには「動き」という側面があり、これは「情動」と訳されます。
 
アフェクションには対象に向けられている側面があり、「情感」と通常は訳されます。
 
そのほかにも、ムード(気分)、パッション(情熱)、センティメント(情操)などの類語があります 
 
専門的な定義としては、「情動(情緒)」は喜怒哀楽をあらわす表現のように比較的激しく、筋緊張や心拍数の上昇などの身体表出がともなうことが多い、一過性の心の作用を指します。
 
「感情」は、広い意味では情動・情熱・気分・情操などを含む概念ですが、狭い意味では強度や身体表出の少ない、快ー不快の次元で捉えられる心の作用を示します。
「気分」は特定の刺激は持つことがなく、環境などに影響されることが多く、強度は弱いが比較的永続的な心的作用を指しています。
 
このように感情と言っても専門的には複雑で多岐にわたるものですが、心理学の研究では生理的指標が明確な「情動」が中心になっています。
 
感情.jpg
posted by やましん at 15:05| Comment(5) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月23日

記憶のメカニズム

2008121142802_1.jpg心理学の講座のうえで、記憶についてはおもしろいところなので追加して述べていきたいと思います。
まず物事は3つのプロセスを経て記憶されます。その3つとは、記銘・保持・想起(再生と認識)の3段階です。
 
「記銘」とは、物事を頭のなかなどで反復したり(これをリハーサルという)、イメージを膨らませたりして記憶しようとすることです。
例えば電話番号を覚えるのに、何度も復唱し、年代を語呂合わせで覚えようとすることがこれにあたります。

「保持」とは、記銘によって記憶されたことがらを、長く保っておくことですが、これは外からは観察しにくいことです。
次の「想起」が可能かどうかで、記憶が保持されているかどうかが確認できるだけなのです。

「想起」とは、保持されたことを思い出すことであり、「再生」と「再認」の2種類があります。再生とは、記憶内容を言葉などであらわすことです。
再認とは、すでに経験したことのあるものをそのとおり確認できることで、たとえば知っている歴史上の人物の名前が試験に出たとき、その名前が既知のものであるとわかることなのです。

過去に自分がよく通った道の幅が、行ってみると意外に狭かったということが経験としてあるでしょう。
これは記憶が「変容」しているといえるのです。
記憶されたことがらは、再生されるときにある部分が強調されたり、単純化されたりして、もとのものとは変化するといわれるのです。
 
また、記憶は個人の定義によっても変化すると言われています。
犯罪などの現場での目撃証言は、その個人がどの程度犯罪者にとって偏見のようなものを持っているかによって、「目撃」しているのにも関わらず同じ証言にはならないというのも知られたことですよね。

人の記憶は不思議さと面白さに溢れているのです。



posted by やましん at 14:39| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月19日

記憶心理学

2008122055815_2.jpg知覚が成立するためには、記憶情報との照らし合わせが必要です。

今回は記憶について少し考えていきましょう。
「記憶についてなんて、心理学の講座で学ぶことなの?」と考える人もいるでしょうが、心理学とは前も述べたように様々な分野と絡んでいるので見逃せません。
記憶の仕組みについては、様々な理論モデルがありますが、1972年に「意味記憶」と「エピソード記憶」という2種類の記憶に分類したモデルがE・ダルヴィングによって発表されました。

「意味記憶」とは、物事についての系統だった知識(概念・アイディア・事実など)のことです。これらには単語やシンボル、単語同士の関係などに関する知識も含まれます。
この記憶により、もともとは単なる数字の羅列である電話番号を覚え、「朝と夜の長さが同じになる日は一年に何回あるか」といった問いに答えることができるのです。
一方「エピソード記憶」とは、特定の時間や場所と結びついている個人的な体験・出来事についての情報、あるいはその出来事同士の関係についての知識です。
たとえば、昨日の昼、中学時代の友達と映画を見に行った後心理学の講座を受講した、といった記憶のことです。

私たちは3歳ぐらいから前のことは覚えていません。
乳幼児にも記憶能力はあるのに、なぜそのころのことは覚えていないのか?

これにはまだ定説はないのですが、言語を用いない乳幼児のころは非言語的な形で記憶が保存されるので、言語を使う成人には取り出せない。という説がまず一説にあります。

そして、エピソードを記憶し思い出すには言語が必要というのもまず一説です。
また、乳幼児の脳には誰が何をどうしたのかということを理路整然と生理するだけの容量がないという説などもあります。
まだまだ解明されてないことは、山ほどありますね。




posted by やましん at 12:50| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月22日

知覚心理学

前回、感覚心理学について簡単に述べましたが、今度は知覚について少し説明してみます。
感覚と知覚の違いについて、どんなものだと皆さんは考えていますか?
まず、感覚で周りのものを見たりできる、ということはわかりました。

そうしたら見たものが「何」であるかを認識するためには、自分の記憶と照らし合わせていく必要があります。
例えば「赤い車」を見たとします。まず視覚で「赤」はとらえています。しかし、それが「車」であるかどうかは、「車」がどのようなものなのかをあらかじめ知っておく必要があるのです。

このように大脳の働きによって過去の経験などを呼び起こして物事を認識することを、心理学では「知覚」と呼び、感覚と区別して考えています。
つまり私たちの日常生活は、周りの状況を感覚と知覚でとらえることで成り立っている、と心理学では考えます。
日常の言葉とは少し違う使い方になるので、やはり心理学の講座では注意したほうがいいです。

知覚では、「体制化(まとめようとすること)」という働きが備わっています。
だまし絵とよばれる絵で、二通りに見えるものがあります。ある人には若い女の人に見えるし、ある人には老婆に見えてしまう。
このように二通りに見えるのですが、一通りにしか見えなくなる。
このように私たちの脳は体制化の働きによって効率よく世界を認識させてくれますが、逆にそのために正しく認識できないこともあるのです。

それは錯覚、と呼ばれるものですが、錯覚はおもしろいですよね。
心理学の講座の面白さを再認識できます。

posted by やましん at 14:17| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月08日

感覚心理学

脳や神経という中枢神経に信号を送るには、感覚器でとらえたものを受容器で信号にかえる、というプロセスが必要になれます。
ここまでのプロセスを心理学では「感覚」と呼びます。
私たちの日常の感覚という言葉の使い方とは少し違う部分もあると思いますが、心理学ではこのように固有の定義がされていることに注意して読んでいってください。

感覚は私たちが周りの世界を知るための手段として、常に働かせているものです。
日常の言葉である「五感」は視覚・聴覚・臭覚・触覚・味覚から成り立っています。

例えば、あなたの目の前にご馳走が運ばれます。
まずあなたはそれを目で見ます(視覚)。その食事のおいしそうな匂いを鼻で感じます(臭覚)。
手で箸をとり(触覚)、それを味わい(味覚)、そうしながらテレビのニュースが耳にはいってくる(聴覚)。
これらの五感は私たちが周りの環境を知るために、非常に重要な役割を果たしているのです。
心理学の実験に「感覚遮断実験」というものがありますが、これは完全に無音の部屋に被験者を入れて、アイマスクをつけさせて触覚が鈍る服を着させて運動も制限します。

すると被験者は幻覚や強度の不安に襲われてしまいます。
人間は五感を封じられると正常な状態ではいられなくなるのです。つまり、感覚は私たちを現実につなぎとめておく重要なものなのです。

このようなことを知っていくために、感覚から心理学を学んでいく。
このことを感覚心理学といいます。

この学問も、講座では医学的な知識が必要ですね。
この講座も奥深くとても興味深いですね。


posted by やましん at 21:59| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月27日

生理心理学

2008092633825_1.jpg当たり前ですが、心の状態と身体とは常に影響しあっています!切っても切り離せない関係です!

例えば受験の前日、合格するかどうかが不安で心臓がドキドキして目がさえて眠れなかったりしたことはありますよね。
また、身体の具合が悪くなると、気分まで落ち込んでしまうという経験も誰でもあるのではないでしょうか。
私なんかは主婦ですから、お天気がいいと「洗濯できるし、お掃除もできる!外にも散歩に行こうかな。」と前向きになりますが、雨の日は気持ちも沈んでしまって、家にこもってしまうということもよくあります。
このような人間の心理的なメカニズムと生理的なメカニズムの対応関係について研究する分野が生理心理学なのです。

なんだかおもしろそうですよね。
このことを心理学の講座などで学ぶためには、必然的に神経のことや脳のこと、筋肉のことや皮膚のことを知らなければなりません。
だから生理学と心理学が絡んできて、この分野になっているわけです。

神経のことや脳のことを学ぶことは本当におもしろいです。
今まで知らなかった、無意識に私たちがしていると思っていたことが、脳のこの部分でおこなっているのだ、神経はこのように命令を伝達していくのだ、などと改めて私たちの身体について知ることになるでしょう。
そして、奇跡のような身体の作りに驚嘆することにもなるのではないでしょうか。

心理学とは本当に奥が深い学問です。
心理学講座で学んだことは、これからの生活にも役立ちますし、育児などをしていくうえでも大切な分野だと思います。


posted by やましん at 10:14| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月16日

心のメカニズム

2008092043147_1.jpg前回までは、心理学の講座を学ぶ前の知識として、心理学の歴史について説明してきました。
ここからは少し心の様々な働きを述べていきたいと思います。

心理学は生理学から独立した学問、ですが人間が生物の一種として存在している以上、生理学から切り離して考えることはできません。
よって心理学と生理学の境界は微妙であって、なかには絡んでいる部分もあります。

心理学が対象とする領域は極めて広いために、生理学以外にも様々な学問と絡んでいくことになります。
まずは生理との接点を探る分野は「生理心理学」ですし、同様に感覚を対象とするものは「感覚心理学」です。
学習を扱うものは「学習心理学」ですし、このようにそれぞれの対象領域を冠した分野別心理学が確立しているのです。

ですから、一口に「心理学」といっても何をどう講座で学んでいいかわからないのは当然なのです。
大きな意味で「心理学」を学ぶということは、様々な名称が冠してある心理学について全て知っておかなければならないのと同じですからね。

あなたが心理学講座で学びたい心理学は何なのか。
恋愛についてなのか、性格についてなのか、それとも社会で人間関係を築く上で必要な社会的な心理学なのでしょうか。
それをしっかり確立して、その名称が冠してある心理学を学ぶことをおすすめしたいと思います。
そうしないと、広大な心理学の深い海にとらわれてしまうかもしれません。
でも、大学で専攻する場合は専門的に学ぶわけので別ですけどね。


posted by やましん at 21:57| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月04日

様々な学問と提携していく心理学

心理学の講座を学ぶ為、心理学の歴史について触れてきましたが、その最後として心理学と他の学問との関連について述べていきましょう。

まず心理学は「精神物理学」がその前身です。物理学をはじめとする様々な自然科学から多くの方法を受け継ぎ、哲学を父、生理学を母として誕生しました。
これを実験心理学の始まりとするならば、臨床心理学は医学、とりわけ精神医学の弟として誕生したといえるでしょう。

こうして哲学と生理学から独立した心理学は、感覚・知覚・記憶・知能など、人間の心と機能を次々に明らかにする一方で、全体性としての個性や成長の過程が追求され、発達心理学や性格心理学などの分野が確立しました。
これらの分野では大脳生理学や医学との連携が保たれました。

心理学は「個」を問題とするだけには留まりません。
社会学や文化人類学の近接科学として対人関係や集団状況、さらには社会的な次元での人間行動を対象として社会心理学が成立しました。
また経営学や組織科学との境界では、経営心理学や組織心理学という分野を展開させています。
こうした心理学の発展には、統計学の進歩が大きな支えになったのです。

近年では論理学や言語学とともにテクノロジーの世界に進出し、認知心理学という分野を開拓する一方で、心理学以前に人間の魂の癒しを担当していた宗教とも親しい関係になりつつあります。

このように心理学は、心理学としても数々の分野を生み出し、そして色々な学問と連携しながら発展してきているのです。
心理学の講座で、このような歴史に触れることはあまりないでしょうから、覚えておくといいでしょう。
2008082355401_2.jpg

posted by やましん at 14:44| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月27日

実験心理学と臨床心理学

2008082455723_2.jpgこれまで、心理学の歴史をみてきましたが、大きく分けると二つの流れがある事に気がつきましたか?

その一つはヴントによって確立されて今日まで続いている流れで、研究方法を自然科学に求めるものです。
自然科学は諸現象を観察し、諸現象の関係について仮説をたて、それを検証するためのデータを集めて統計的検討をし、仮設から理論を構築するという方法をとります。
この方法を「実証的方法」といいます。この方法こそが科学としての心理学だと考え、実験を方法的な柱にすえるので「実験心理学」といいます。

しかし、人間には個人差があり当然ですが一人一人違う世界を持っています。
フロイトにはじまり、心の不適合に悩める人たちを援助することを目的とする実験的領域においては、そうした「個」と関わることを通じて人間心理の普遍的な構造とは何かを探るという方法がとられてきました。
こういった方法による心理学を「臨床心理学」といいます。

20世紀の心理学は、この実験心理学と臨床心理学のせめぎあいの歴史でもありました。
実験心理学者からいわせれば、「臨床心理学は科学ではない」といったことになりますし、臨床心理学者から言わせれば「実験心理学は心不在の心理学である」ということになるのです。
20世紀ではアメリカの行動の科学こそが心理学であるということが主流でしたが、こうしたなかからトランスパーソナル心理学が生まれたことは面白いことです。

心について知りたいから心理学の講座を学ぶのに、こんなにめんどうくさい!そう思われましたか?
確かに学問として成り立つには、心には未知の領域が多く、科学的な証明も必要とされたのでしょう。

共感はできないとしても、学ぶ以上は知っておかなければいけないことですね。



posted by やましん at 13:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月19日

戦後日本の心理学

2008100340053_3.jpg心理学は大きく分けると「実験心理学的方法」と「臨床心理学的方法」の二つがあります。
今、一般の大学で心理学の講座を専攻すると、卒業論文では実験とその結果の統計的な解析という手順を踏む事を求められることが多いのです。
これはヴントから始まる心理学、つまり実験心理学の伝統に基づくものです。

第二次大戦後、日本にはいろいろな面でアメリカの圧倒的な影響下におかれます。進駐されたわけですからね。
そして当然心理学も例外ではありません。
前に示したような、ワトソンなどの影響がはっきりでてきます。
今の日本の心理学の講座で使われているような教科書は、「心理学とは行動の科学である」という定義から始まっているものが多いですが、これはそれが端的にあらわれたものですね。
ヴントの意識の心理学や、フロイトの無意識の心理学を否定する、アメリカの行動主義心理学の影響によるものなのです。

しかし、心の治療を目的とする臨床心理学においては、アメリカの影響下におかれたとしてもその実験心理学を否定し、東洋思想を基盤とする独自の心理学が発展する余地が残されました。
日本はアメリカの占領下におかれたとはいえ、東洋ですし。
禅の精神は日本にありますし、いわゆる「悟り」といわれる超越的体験が受け入れられた土壌だったこともあるでしょう。
それを応用して、心の病に対応していくことが考えられたのは当然だったのでしょう。

ある意味、マズローなどが唱えたトランスパーソナル心理学の先駆けといえる展開が見られたのです。



posted by やましん at 09:54| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月14日

日本の心理学の研究

2008092045041_2.jpgドイツで生まれた心理学は、日本にはどのように伝わってきたのでしょうか?

日本で心理学の講座を学ぶ私たちは知っておいたほうがいいでしょうね。
「心理学」という日本語を作ったのは幕末から明治初期にかけて、欧米の科学紹介に深くかかわった、哲学者の西周(にし あまね)です。
イギリスの心理学者の著作を翻訳したときに、訳語として「心理学」という言葉をあてたのです。

心理学者として、明治期の代表すべき学者は元良勇次郎(もとら ゆうじろう)です。彼はアメリカの大学に留学し、日本人として初めての学位を取得しました。
帰国後、東京帝国大学(現 東大)の教授となり、講義するかたわら心理学実験室を開設しました。
いわゆる、「日本のヴント」ですね。

大正期の代表的な心理学者は松本亦太郎(まつもとまたたろう)が挙げられます。
彼はアメリカのエール大学に留学し、さらにはドイツに渡ってヴントの心理学実験室で学びました。
1900年に帰国してから、京都帝国大学(現 京大)の教授となり、ここに心理学実験室を作り講座を開きました。その後、元良が亡くなったことを受けて、東京帝国大学教授となり日本心理学会を創設し初代会長となりました。

昭和期に入ると、九州帝国大学(現、九大)教授の佐久間鼎(さくまかなえ)らが中心となりゲシュタルト心理学(ヴントに反する勢力)が盛んに取り上げられ、戦中から戦後にかけて日本の心理学に多大な影響を与えました。
日本の心理学はヴントに始まって、主にドイツを中心とした心理学の歴史を辿ります。



posted by やましん at 22:52| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月10日

トランスパーソナル心理学

2008092044758_1.jpg「トランスパーソナル心理学」とはマズローによって誕生し、「個を超える」ことを目指す心理学。
そこには「意識」や「無意識」を超え、「そもそも人間とは何か」「生きる意味とは何か」という究極のテーマがあります。

みなさんも考えたことがありますよね?
特に心理学を講座などで学んでなくても、自分の存在意義を考えたときに誰でも行き着くものだとは思います。
それを表に出して、学問として流派として定着していかせたのがこの「第四の心理学」と呼ばれるトランスパーソナル心理学です。

トランスパーソナル心理学に影響を与えた東洋的な修行(禅など)、例えば瞑想によって得られる神秘体験や至高体験、超越体験は自然科学的な方法では解明不可能とされ、研究の対象にされてきませんでした。
しかし、トランスパーソナル心理学のK・ウィルバーによれば、人間が知識を獲得するには、3つの様式(3つの眼)にのっとるものだといっています。
第一の眼は空間・時間・物質からなる外部空間を知覚する「肉体の眼」、第二の眼は、哲学・倫理・心そのものに関する知識を得る「理知の眼」。
そして第三の眼は、さまざまな超越的現実の知識に達するための「黙想の眼」だとしています。
トランスパーソナル心理学は、これら3つの眼すべてに基づいて人間存在を考えようとしたものです。

トランスパーソナル心理学は、前代なら宗教が扱っていた領域を含む人間全体を対象とする心理学なのです。
この心理学は、かなり興味深いものだと思います。



posted by やましん at 11:36| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月07日

人間性心理学

2008092043514_2.jpgフロイトが「第一の心理学」であり、ワトソンを「第二の心理学」とするのならば「第三の心理学」とはなんでしょうか。
講座でも勉強すると思いますが、それが「人間性心理学」と呼ばれるもの。

彼らは第一、第二の心理学が人間を決定論的に観るあまり、主体的に決断する能力を持っていることをないがしろにしている、と批判しました。
そしてひとりひとりの主観的経験を重視して、生きることの意味や価値の発見に寄与しようとする心理学が必要なのだと主張したのです。
このような考え方をもつものが、「人間性心理学」です。

この考え方の代表的な学者はA・マズローです。彼ははじめ、行動主義心理学などを学びましたが限界があると悟り、「自己実現」を研究のテーマにしていきました。
この言葉は今でもとてもよく使われていますね。
自己実現というのはとても曖昧な言葉ですが、自己実現した状態とは次のようなことが挙げられます。
例えば現実の自分の姿を見定めている。自己・他者・自然をありのままに受け入れている、極めて自発的である、自己中心的でなく問題中心の生き方をしている、自立的でかつ独立している、目的と手段を区別している、民主的性格、至高体験や神秘体験を体験している、などの特徴が示されます。

マズローは禅・ヨーガ・道教などの東洋的な宗教やシャーマニズムに触れた事もあり、その関心を「自己実現」から「自己超越」という問題へと移していったのです。

そのことが講座でもお馴染みの「第四の心理学」であるトランスパーソナル心理学が開かれる事に繋がりました。



posted by やましん at 14:05| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月05日

行動主義心理学

2008092043147_2.jpgヴントのもとで学んだ学者たちは多くがアメリカ人だったこともあり、またナチズムを恐れてアメリカにドイツから亡命した学者もいて心理学はアメリカに主流が移りました。
その中からヴントの学説を攻撃し、新たに学説を立ち上げた学者達が出てきました。

その中の一人がJ・ワトソンです。
彼は、「意識」というものは目に見えない。見えないものは確かめようがない。確かめようがないものは科学としては失格だという考え方からヴントを攻撃したのです。

そして外から与えられた刺激(測定可能)に対し、どんな反応(これも測定可能)をしたか、という事に基づいて人間を研究していけばいいと考えました。
このように行動だけを科学の対象とする考え方を「行動主義」を呼んでいます。

1913年に書かれた「行動主義者の見た心理学」という論文で脚光を一躍浴びたワトソンはアメリカの心理学に大きな衝撃を与えました。
彼は若かったのですが、この論文が脚光を浴びたのちにアメリカ心理学会の会長にまでなったのです。
いかに彼の理論が歓迎されたかが分かるエピソードですよね。

今日、一般的な心理学の講座に使われる教科書に「心理学とは『行動の科学』である」と定義されていますが、その出発点には彼の主張があるのです。

フロイトの精神分析学により無意識のダイナミズムを重視したのが「第一の心理学」という事になるのに対し、ワトソンの主張は「第二の心理学」と呼ばれています。
講座などの勉強でも必ず出てくる主張です。



posted by やましん at 14:20| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月02日

フロイトの理論

2008092043316_2.jpgS・フロイトは、20世紀の心理学を語る上で欠かせない重要人物です。
精神科の医師であったフロイトは、催眠療法を学び、その後、精神分析療法という独自の治療法を確立しました。
彼の理論は「精神分析学」と呼ばれ、心理学だけでなく哲学や芸術にまで様々な分野に絶大な影響を及ぼしました。
私たちも心理学の講座を学ばなくても知っている人物ですよね。

心理学史のうえで彼が残した最も重要な仕事は、「無意識」を心理学に持ち込んだ事です。
フロイトが主張したのは、私たちが普段決して意識することができない「無意識」という心があるという事です。
彼の理論によれば、私たちは「思い出したくもない嫌な事」を無意識の世界に追いやるのだが、そのような観念は絶えず「意識の世界」に入り込もうとしている。

こうした心の葛藤が、様々な行動を生んでいくと考えたのです。
精神分析学とは無意識にあるものを意識の世界に解き放つ事によって、人間の理解を深めた学問なのです。

このような考え方に基づいて有名な「夢の分析」という本を彼が書いたのは、ヴントが心理学実験室を作ってから約20年後の1900年でした。

この本によって、夢には様々な意味づけがなされました。
あなたも夢を友達などに話して、「それって○○を暗示しているらしいよ」などという事を言われたことがあったと思います。
それらはフロイトのこの本によるものでしょう。
おそらくこれから心理学の講座を学ぶときに、精神分析学は避けて通れないものになるでしょう。



posted by やましん at 21:44| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月29日

ヴントの心理学

「心理学の父」と言われたヴントはどのような学説を講座などで発表したのでしょうか?
ヴントは心を実体として捉えるのではなく、ある瞬間に意識にのぼった経験の全体だと考えました。
んっ、ちょっとわかりにくいですね。
人間に意識されるあらゆる経験が実験の対象になりました。
彼は被験者に色々な刺激を与え、その瞬間にどのような事を意識したかという報告を求めました。
この実験の方法を「内観法」といいます。

例えばちょっと目を閉じてみると、どのような事を思うでしょうか?
車の音や時計の音、外の様々な音が意識されるでしょう。
しかし、あなたの意識は、こうした「感覚」だけをとらえるわけではありません。
人によっては子供のころのことを思い出すでしょうし、昨日のことが思い浮かぶこともあるでしょう。
このような人間の意識に与えられる影響が、どのような要素から成り立っているかを詳しく分析していったものなのです。

ヴントは心的要素を結合して一つのまとまりとしてとらえる能動的な働きが人間の心には備わっていると考え、これを「統覚」と呼びました。

心理学の講座で使われる教科書の中には、彼の学説を「構成主義」と呼び、彼が心的要素が機械的に統合されたものが人間の意識であると考えたかのように記されているものがあります。
しかしこれは誤解だと思います。
「ね」「こ」という文字を見て、これをばらばらには人間はとらえませんよね。
「猫」という一つの言葉として認識する働きが心にはあるのです。

ヴントの他にも学説を唱えた学者はいましたが、ドイツの哲学的伝統として「はじめに全体あり基」という考え方が見られます。
この考え方を突き詰めると、「個よりも全体を優先させる」というナチズムの考えにつながっていく事も心理学から考えると非常に興味深いものです。


posted by やましん at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月25日

心理学の誕生

2008092044010_3.jpg心理学の講座を受ける前に、そもそも心理学とはいつどのように、どこで誕生したのかを見てみましょう。

「心理学」という言葉は、ギリシア語での「心」と「論理」という言葉を組み合わせたもの。
このような語源から考えても、心理学が「心」とは何なのかを追及した学問だということが伺えますね。
もちろん、このような言葉が明確にされる以前から心については考えられてきました。
しかし、心理学が「科学」として独立したのはほんの今から百数十年しか経っていないのです。
ちょっと意外ですね。
心については色々考えられてきましたが、証明する事がとても難しい事からこのような歴史しかないのだと考えられます。

心理学は19世紀にドイツで誕生しました。後に「心理学の父」と呼ばれたW・ヴントは本当の専門は生理学だったそうです。
しかし生理学はこの時代に衰えてきていて、哲学の教授となりました。
結果的にこの転身が心理学につながっていったといわれています。
なぜならば、「人間とは何か」という哲学的関心と、生理学という自然科学の方法が結びつく事となったからなのです。
1879年に看板を掲げた「心理学実験室」は、全て彼のポケットマネーによるものでしたがここから近代の心理学は始まったんです。

彼のもとで心理学の講座で学んだ学生から、多くの心理学者が巣立っています。
その多くがアメリカ人であった為、ドイツで生まれた心理学の発展はアメリカで進んでいく事に繋がっていきます。



posted by やましん at 21:41| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月20日

心理学ブーム

近年は、ずっと「心理学ブーム」なのではないでしょうか。
確かにテレビ番組でも心理学を取り上げたりすることも多く、カウンセラーの資格をとる為の講座などが多く出てます。
しかし、少し前までは心理学などというと「うさんくさいもの」として捕えられ、新興宗教などと相まってあやしまれてましたよね。
では、なぜ今このようなブームが起き続けているのでしょうか。

今の日本は深刻な戦争や飢餓に襲われているわけではありません。しかし、安定していた景気も後退し雇用不安や老後への不安などが噴出している時代になっています。
そのように将来が見えにくい時代になっています。
そのため、将来を悲観したような事件が起こるなど、相手の心を求めるあまりに極端な行動に走ってしまって犯罪行為を起こしてしまう例も多々あります。

誰もが心のよりどころを求めているんですね。
しかし宗教などに頼るのはうさんくさい。
そんな中で私たちは何を心のよりどころにするべきなのか、ということをみんなが模索しているのでしょう。
その模索する選択肢のなかに心理学も含まれて、そして心理学を学ぶ人や学びたい人が増えているのでしょう。

もちろん、心理学が全ての人の心のよりどころになるわけではありません。
しかし日々相対する相手の心を知りたい、その仕組みはどうなっているのかという思いから心理学を学ぶ人や講座が増えているのでしょう。
人の心に興味がある、という人も多いのでしょうけれどもね。

posted by やましん at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月15日

現代における心理学の必要性

2008092044312_2.jpg私たちが生きている世界には、どんなに小さくても必ず「社会」が存在します。
社会があるからには、必ず対人関係というものも生まれます。
人間関係が希薄になっている今、相手が自分をどう思っているのかを過剰に気にし過ぎたり、逆に気にしなさ過ぎたり、ということが起こってきているのではないでしょうか?
そして、「自分の事をわかってくれない」と思いこんでしまって事件を起こしてしまう!ということが現在おきているように思えます。

そんな中で相手の心理を知りたいという事や、何故そのような行動をしてしまうのか、という事を知りたいという事から心理学を学びたいという機運も高まっています。
「心」という形のない不安定なものの正体は一体、何なのか、どういう構造になっているのか、などという事を知りたいと思っているのですね。
巷では、心理学講座も手軽に開かれたりしています。

しかし心理学自体について、なかなか初心者にはわかりにくいように思います。
恋愛についての心理学、犯罪についての心理学、精神心理学、発達心理学などなど。
本当に色々な心理学があり、そのそれぞれが独立している為、初心者にはとてもわかりにくくなっています。
人間の心理についてはとても興味があるのに、なかなか心理学の講座を受けるまでには踏み込めないでいる。
そんな人のために、心理学講座を受ける前に、できるだけわかりやすく心理学について述べていこう、と思っています。


posted by やましん at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。